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令和6年度第2学期始業式・表彰伝達

2024年8月27日 17時19分

本日令和6年度第2学期始業式が執り行われました。

以下、島瀬校長先生の式辞になります。

今日から2学期が始まります。「やりきったぞ。」という充実感に満ちあふれた笑顔は、皆さんに浮かんでいるでしょうか。反省すべきところがあるという人は、言うまでもありません。今日からリスタートです。何回も書います。少々遅れても問題はない。スタートするだけだ。必ず走れる。絶対色々なことがあったとは思いますが、まずは、皆さんが、無事2学期を迎えられることを、大変有り難く思います。生徒の皆さん、保護者や地域の方々、そして教職員の皆さん、本当にありがとうございます。
 さて、夏休みの砥部分生の活動を振り返ると、全国高文祭に参加し、各県代表の作品に直接触れてきた人もいます。海外生活を経験し、まさに見聞を広げてきた人もいます。
 もちろん、今紹介した、華々しい活動をした人たちだけが、この夏休みに頑張った訳ではありません。暑い中、一生懸命進路の実現を目指して勉強に取り組んだ人、作品制作に力を入れた人、体験入学やバスツアー、オンライン説明会や地域みらい留学で砥部分校に興味を持っている人に丁寧に対応してくれた人、ボランティア活動に取り組んだ人等々、皆それぞれ頑張ったものがあると思います。
 中には、その頑張りが思うような結果につながらず、くじけそうになっている人がいるかもしれません。しかし、努力の結果がいつ実を結ぶかは、分かりません。とりあえず、今日やるべきことを、淡々とやりましょう。明日も、淡々とやりましょう。明後日も淡々とやるだけです。
 「静かに行く者は健やかに行く。健やかに行く者は遠くまで行く。」という言葉があります。これはイタリアの古い諺で、1870年代に現代経済学の基礎を築いたフランスの経済学者レオン・ワルラスがフランスの経済学会で認められず長い苦悩の日々を過ごしていた頃に、彼の父親が励ますためにいつも言って聞かせた言葉です。

あなたの努力は、他の誰かが知らなくても、あなた自身が知っているはずです。陰で努力を続けていれば、いつか必ずよいことがあります。たとえ人に知られなくても、やるべきことを「淡々と」続けましょう。

話は変わりますが、私のこの夏休み中の思い出をひとつ紹介します。

東京へ行く機会があり、かねてより行きたかったカフェに行ってきました。『DAWN ver.B』という名前のお店で、頸椎損傷、筋萎縮性側素硬化症(ALS)など、様々な理由で外出困難な方々が分身ロボットを遠隔操作しサービスを提供している実験カフェです。私も、鹿児島県や兵庫県からロボットを操作している方に接客してもらい、テレバリスタが遠隔操作で淹れてくれたコーヒーを試飲し、それぞれの方々と少しお話をすることができました。このカフェを運営するオリィ研究所の代表の吉藤オリィさんは現在36歳、17歳のときから「孤独の解消」を人生のテーマに掲げ、ロボットなどを研究しています。幼いころから体調を崩しがちで、中学生まで不登校を経験した彼には、自分の居場所や勉強する意味が見出せず、強い孤独を感じ、自分はこの世にいない方がよいのではないかとさえ思った時期があるそうです。高校時代の彼は、外出困難な人の移動を助ける車椅子に興味を持ち「傾かず、かつ段差を登ることができる電動車椅子」を共同開発し、国内外で高い評価を得ました。しかし開発の過程で車椅子利用者の切実な声を聴き、物理的に外出が可能になるだけでは、人の孤独は解消されないことに気づきます。そして次に、「友達のようなロボット」を創るべく人工知能の開発に取り組みますが、徐々に違和感を覚え、「人工知能が人を癒す未来」よりも「親しい人とつながり、孤独でなくなる未来」を創りたいと考えるようになり、カメラとマイクを搭載し遠隔操作可能な分身ロボットを開発したそうです。
 誰でも、いつか寝たきりになる可能性がありますが、寝たきりになったとき、どうやって自分らしく、孤独にならずに生きていけばよいのか、寝たきりの先のロールモデルが人類には足りないと彼は考え、挑戦を続けています。
 障害のある人たちとともに、寝たきりになっても会いたい人と会えて自分らしく生きられる社会を作るこのカフェの取組みは、まさに、私たちの未来の可能性を大きく広げるものであり、心が揺さぶられる時間を過ごしました。
 さて、2学期は、体育祭、文化祭など大きな行事があります。3年生にとっては、進路決定の重要な時期でもあります。
 自分自身や周囲の友達の変化に気づく感度のよいセンサーを身につけて、まずは、いのちを大切に、次に、体調を崩す人がでないように、そして、それぞれの本番をベストコンディションで迎えられるように、気をつけましょう。

皆さんの2学期が充実したものになることを期待して、式辞といたします。

以上

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