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デザイン講演会

2019年5月17日 15時27分

 

5月17日、午後みんなで興味深い講演を拝聴しました。おいでくださったのは、「四国こどもとおとなの医療センター」でホスピタルアートディレクターとして活躍されている森合音(もり あいね)さんです。気さくで飾らない笑顔がとても素敵な方でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アートの力「痛み」を「希望」に」という演題で語っていただいたのですが、森さんの、ホスピタルアートに対するピュアでまっすぐなアート魂は、感受性の強いとべぶん生の心には突き刺さるようなインパクトがあったのではないでしょうか。

好きな絵や立体を思いのままに好きに作るのとは違って、ホスピタルアートは、病院という建築物の持つさまざまな制限の中で創り上げる難しさがありました。

今や、ビジネスシーンでも、企業の成果を出すために美意識改革、美意識研修のようなことをしているというお話は面白かったですね。

内容やサイズ、使う色はもちろん、材料の選定、院内にあふれるサインとの連携、あとは知らなかったけど、法規制との整合もクリアしなくてはならないのですね。

「やわらかに、多元的な空間をもたらすホスピタルアート。院内を歩くと絵本の中に入り込んだような感覚に」と森さん

お医者さんから、手術後のリハビリでこどもたちが歩くのを嫌がらなくなったといわれたそうです^^

「禁止」という言葉を掲げないで芝生を守るというコンセプトで生まれた、「ここには小人が住んでいる」というアイデア。素敵。小人さんに住まれたら踏み込めないですよね。

地元善通寺の高校のデザイン科の皆さんとの共同作品もご紹介いただきました。

想いを形にするー理念の顕在化 それは、森さんの言葉をお借りするなら、数字やevidenceとして説得するものではなく、表現活動を通して病院スタッフと患者さん、そのご家族の互いが言葉なしに励まし合える、ふっと痛みを忘れる一瞬を持てる、そんな経験のことなのかもしれない。

霊安室への通路にスタッフが青い花の壁画を描いていく動画には、無機質で殺風景な場所でも、そこで働く人たちには、さまざまな思いがあって、、その誰もがみんな元気になってねという希望と亡くなってしまった命への痛みを抱えているんだというメッセージには胸がつまるような気持ちになりました。

とべぶんのみなさんには、「目には見えないけど、誰もがあると知っている、そんなものを表現できるようにがんばって」「まだ気づいていないかもしれないけど、自然いっぱいのこの環境を大切にしてくださいね」との言葉をかけてくださいました。

みんなを代表して、3年生の小山さんがお礼の言葉を。先日、四国がんセンターのホスピタルアートのプレゼンで森さんを知ったという小山さんは、『森さんは、強い思いのある人、そして、それが聞く人にとても情熱的なインパクトを与えるんです』、という感想を持っていて、「森さんの言葉、思い、すべてがかっこよくて刺激を受けました。これからの作品制作の励みになります」という、思いあふれるあいさつになりました。森さん、心を打つ講演をありがとうございました。